薬学部生のモチベーションの保ち方

目次

薬学部生の勉強は「量」も「難易度」もハードルが高い

薬学部での学びは習得すべき知識量や実験、試験などが膨大で、時には「どうしても心が折れそうだ」と感じる場面が少なくないでしょう。
期末試験だけに注目しても「試験範囲」も「問題のレベル」他学部より高いことが多いです。

しかし、薬学を究めることで手にするスキルや知識は未来の医療を支えるうえで重要であり、患者の健康を守るという大きな責任とやりがいが伴うものです。
そのため、大学生の間で勉強の壁にぶつかったとしても、学ぶ意欲を維持し続けることが大切です。

ここでは薬学部の学生が高いモチベーションを維持しながら、目標に向かって進むための工夫をいくつか紹介します。

薬学部生のモチベーションの保ち方

実際に勉強のモチベーションが上がらないとき、少しでもモチベーションを回復させて勉強に取り組める方法をご紹介します。

1.目的を明確にしよう

「なぜ薬学を学ぶのか」「将来どんな薬剤師になりたいのか」を考え、具体的なビジョンを描きましょう。
自分の学びが将来的に誰かのために役立つと意識できると、学習にも意義が見えてきます。
患者さんとコミュニケーションを取っている瞬間や薬を扱っている瞬間など、できるだけ具体的にイメージしましょう。

2.短期間の目標を

目標が国家試験や期末テストだけだと、試験当日までの間が長すぎて途中で中だるみをしてしまいがちです。
そこで週ごとや月ごとの目標を立て、進捗を確認しましょう。
「今月は有機化学の基礎をマスターする」
「今週は薬理学で80点以上を取る」
など、短いスパンで目標を設定し、その度に達成感を得ると、モチベーションを保ちやすくなります。

3.「ポモドーロ・テクニック」を使う

勉強時間をうまく使うために、「ポモドーロ・テクニック(25分勉強+5分休憩)」や朝の早い時間を利用するなど、時間を区切って集中しましょう。

最初は時間を「25分勉強+5分休憩」で設定して実践することをおすすめします。
慣れてきたら少しずつ時間を増やしたり、「25分ももたない!」と感じたら減らしてみるのありです。
自分に合った時間を見つけていきましょう。

~ポモドーロテクニックとは~
まずは25分間、集中して勉強や作業をします。
タイマーが鳴ったら5分休憩を取ります。
これを4回繰り返したら、15~30分の長めの休憩を取ります。
この「25分集中 + 5分休憩」というサイクルを続けることで、集中力を持続させ、ダラダラした勉強や作業を防ぐことができます。
短い休憩を挟むことで、脳の疲労が和らぎ、効率が上がりやすくなるのがポイントです。

ここでのポイントは25分経ったときに「もう少しできそう…」と感じても1度切り上げることです。
「25分経ったら休憩をする」
「5分経ったら勉強をする」
これを徹底して習慣化することでポモドーロ・テクニックは大きな効果を発揮します。

4.勉強法そのものを工夫する

単なる暗記ではなく、症例や臨床例と結びつけて学ぶと理解が深まります。
おすすめはイラストやマインドマップを使うことです。

また、友人どうしで教え合うのも効果的です。
他人に説明していくことでどこまで理解できていて、どこが分からないかが明確になります。

5.薬学部生どうしで励まし合う

同じ目標を持つ仲間と励まし合うことも大切です。
「つらいけど、つらいのは自分だけじゃない」
「自分も一緒に進級して、来年も一緒に授業を受けたい」
と思えると、自然と勉強しなきゃと思えます。

また、試験前には勉強会を開いて教え合うなど、助け合うことで効率的に学べます。
特に受験で化学を使った人と物理を使った人で、お互いに教え合うのは効果的です。

6.リフレッシュ時間の確保も大切

学習への集中を維持するためには休息も大切です。
趣味や運動、散歩などをして気分転換を行い、勉強の集中力を取り戻しましょう。
特に席を立ち、外の空気を吸うことをおすすめします。

7.勉強記録ノートを作る

ノートや日記に成長の過程を記録することで達成感を得やすくなります。
「今週はここまで進んだ!」
「この分野は理解できた!」
など、小さな達成も自信につながります。

毎日の勉強の積み重ねを客観的に見れるようにすることが大切です。

8.模試や過去問を解いてみる

模試や過去問、小テストなどを利用し、自分の実力を確認して課題を見つけることで、自分自身の現在地を客観的に知ることができます。
自分の現在地を知ることで、次のステップを目指すきっかけになります。

模試や過去問を持っていない場合は自身でテスト範囲の模擬テストを作ってみたり、教科書の章末問題を解いてみるのも1つの方法です。


まずはこれらの方法を試しながら、自分に合った勉強スタイルを見つけてみてください。
モチベーションは日々の積み重ねで維持しやすくなります。
気持ちが落ち込むときも無理をせず、できる分だけでも自分のペースで取り組んでいきましょう。


薬学部の進級には暗記が不可欠

薬学部生は暗記科目や暗記量が多く、暗記が苦手な学生にとっては単位取得のハードルが高い科目も多いです。

「モチベーションを上げたくても暗記が苦手すぎて心が折れそう」といった人のために暗記のテクニックを3つご紹介します。

自分に合うものを取り入れてみてください。

1.分散学習(インターバル反復)を行う

一気に詰め込むよりも、少し間を空けて何度も繰り返し復習するほうが長く記憶に残ります。
例えば「覚えた次の日」→「3日後」→「1週間後」に再度復習するスケジュールを組むと効果的です。
アプリやスケジュール帳を使って管理すると、復習のタイミングが把握しやすくなります。

2.マインドマップを使って関連付けて覚える

覚える内容をマインドマップで整理し、視覚的に関連性を示すと記憶しやすくなります。
例えば、薬の作用や副作用などを図にまとめると、情報が頭に入りやすく、後で思い出しやすくなります。
特に「暗記」と「整理」を両方行いたいときに便利です。

~マインドマップとは~
マインドマップは、情報やアイデアを整理するための視覚的な図のことです。
中心にテーマを書き、そこから関連する項目やキーワードを枝状に広げて書いていきます。
各枝にはさらにサブトピックを追加し、内容を細かく展開していきます。

~マインドマップのポイント~
「中央にメインテーマを書く」
「中央のテーマから放射状に枝を広げる 」
「キーワードやイラストを使う 」
この方法を使うと、複雑な情報も頭の中で整理しやすくなるといわれています。

3.寝る前と起きた直後に復習する

寝る前や起床後の復習は、記憶の定着に効果的です。
特に寝る前に暗記した内容は、睡眠中に脳が整理してくれます。
寝る直前に暗記物の勉強をして、翌朝にもう一度確認すると記憶が定着しやすくなります。

睡眠は記憶の定着に重要な要素です。
どんなに忙しくても睡眠時間は必ず取るようにしましょう。

まとめ

薬学部の勉強はとにかく覚えることが多くて、地道な努力が必要です。
それでも今回ご紹介した工夫をうまく使えば、少しずつでも前進することができます。
効率よく暗記するコツや、やる気を維持する方法を活かしながら、自分のペースでコツコツと積み上げていきましょう。
毎日少しずつの努力が、将来の医療現場で役立つ力になるはずです。
大変なときもあるかもしれませんが、学んでいることが患者さんを支えることにつながっていることを思い出して、諦めずに続けていきましょう!

自分1人では解決できない勉強の悩みを抱えている場合は猫の手ゼミナールの「無料学習相談」をご利用ください。
薬学部生に対する相談経験が豊富な相談員が対応いたします。

目次