悩みランキング「2位」「3位」

薬学部生の悩みランキング
前回は薬学部の学生が抱える悩みランキングを紹介しました。
ランキングの内容は下記をご覧ください。
第1位:学業・試験の負担が大きい
第2位:実習や課題の多さ
第3位:将来の進路に対する不安
第4位:経済的な負担
第5位:生活習慣の乱れ
第6位:人間関係の悩み
今回は2位「実習や課題の多さ」と3位「将来の進路に対する不安」について詳しく見ていこうと思います。
2位 「実習や課題の多さ」
学業の負担によるストレスと時間的余裕のなさ
薬学部のカリキュラムは、専門的な科目が多く、特に解剖学、生化学、薬理学、病態学などの科目では膨大な量の知識を習得しなければなりません。
また、国家試験対策も含めて、通常の試験勉強だけでなくレポートや課題も多く、学業の負担が非常に大きいのも特徴です。
「時間管理の難しさ」
学生は限られた時間の中で、授業、課題、実習、アルバイトなどを両立させる必要があります。
「勉強の時間が足りない」「自由な時間が取れない」というプレッシャーが大きく、自己管理が追いつかない学生もいます。
「勉強が追いつかない恐怖」
科目の多さや進度の速さについていけず、授業内容を理解するのが難しい場合、不安や焦りを感じることがあります。
特に試験が近づくと「単位を落としたらどうしよう」「進級できないかもしれない」という恐怖に駆られることも少なくありません。
実習や課題のプレッシャー
薬学部では学内での講義だけでなく、実験や実習も重要なカリキュラムの一部です。
これらには多くの時間が必要であり、加えて高度な集中力と正確性が求められるため、学生にとってプレッシャーの大きいポイントです。
「実験の失敗への不安」
実験はミスが許されない場面が多く、失敗するとレポート作成に影響が出ることもあります。
実験結果が得られない場合や手技が上手くいかない場合、「自分の能力に問題があるのでは」と自信を失う学生もいます。
「実習中の現場対応の負担」
病院や薬局での実習では、座学とは異なる現場の厳しさや、患者や医療スタッフとのコミュニケーションに苦労することもあります。
「自分はこの仕事に向いていないのでは」と感じる学生も少なくありません。
グループ課題やチームワークの悩み
薬学部では、チームで行う課題やグループディスカッションが求められることも多いです。
これは、将来の多職種連携を見据えた教育の一環ですが、学生にとっては人間関係やチーム内での役割分担に関するストレスの原因になることがあります。
「意見の衝突や責任の重さ」
グループ内での意見の不一致や、全員が同じ熱量で取り組まない場合、「自分ばかりが負担を負っている」と感じることがあります。
また、発表や課題のクオリティに責任を感じる学生は大きなプレッシャーを抱えることもあります。
長期間の学び続ける必要性
薬学部は6年間の長い学習期間が必要であり、その間、膨大な知識を積み上げる努力が求められます。
また、その6年間の学びの延長線上に国家試験があるため、学生たちは常に「まだ終わらない」という意識に苦しむことがあります。
「継続的な努力への不安」
6年間もの長期にわたって集中力を維持することに不安を感じる学生が多いです。
「最後までモチベーションを保てるのだろうか」「途中で挫折してしまうのでは」という悩みがつきまといます。
「国家試験へのプレッシャー」
国家試験が卒業後の進路に直結するため、「試験に失敗したらどうしよう」というプレッシャーが常にあります。
このような不安が、日々の勉強や課題の多さをさらに重く感じさせる原因になっています。
自分の能力への自信喪失
膨大な課題や試験に追われる中で、「自分は本当に薬剤師になれるのか」という不安を抱える学生が多いです。
「周囲との比較」
同じ学部の友人や同級生と自分を比較し、「自分は劣っているのでは」「他の人に比べて理解が遅いのでは」と感じることが多くなります。
「自己評価の低下」
課題が多すぎて手が回らなかったり、試験で思うような成績を取れなかった場合、「自分は向いていないのではないか」と自己評価が低下してしまう学生もいます。
不安を乗り越えるためのアプローチ
課題の多さが原因で感じる不安は、適切なサポートや工夫によって軽減することができます。以下のポイントを参考にしてください。
「計画的な時間管理」
タスクを優先順位で整理し、無理のないスケジュールを立てましょう。細かい目標を設定することで進捗を実感しやすくなります。
「仲間や教員に相談する」
不安を一人で抱え込まず、同級生や先輩、教授などに相談しましょう。同じ悩みを共有することで、気持ちが軽くなることもあります。
「休息の確保」
勉強や課題に集中しすぎて心身のバランスを崩さないよう、適度に休むことも重要です。
「ポジティブな自己評価」
「できていないこと」にばかり注目せず、「できたこと」に目を向けて、自分の成長を肯定しましょう。

将来に対する不安
就職の競争とキャリアの選択肢
薬剤師の資格は安定した職業への道を開いてくれる反面、競争が激しい現実もあります。
特に都市部では薬局や病院の求人が飽和状態になりつつあり、希望するポジションを得られるかどうかに不安を抱く学生も少なくありません。
一方で地方では薬剤師が不足しているため、勤務地の選択肢が限られるケースもあります。
また、製薬会社や研究職など薬剤師以外のキャリアを目指す場合、さらなる専門性が必要とされることが多く、大学院進学やスキルの習得が求められることも学生のプレッシャーとなっています。
資格取得の難易度とプレッシャー
薬剤師国家試験は非常に難易度が高く、学生生活の多くを試験勉強に費やすことになります。
そのため、「試験に合格できるのだろうか」という不安は学生たちの大きな悩みのひとつです。
また、薬剤師としてのキャリアが始まった後も、医療分野では新薬の開発や規制の変更が頻繁に起こります。
そのため、最新の知識を学び続けなければならず、「勉強が一生終わらない」という心理的な負担を感じる学生もいます。
社会的役割の変化
近年では、調剤の自動化やAI技術の導入が進んでおり、「薬剤師の仕事がなくなるのではないか」という懸念を抱く学生もいます。
こうした技術の進化により、従来の「調剤するだけ」の役割から、患者とのコミュニケーションや臨床的な知識が求められる方向へと変化しています。
その結果、「患者さんに信頼される薬剤師になれるだろうか」「自分の能力で患者さんに寄り添えるのだろうか」といった不安を抱えるケースも増えています。
学費の負担と経済的な将来
薬学部は他学部と比べて学費が高額であり、特に私立大学の場合、その負担は大きくなります。
学生の中には、「卒業後に安定した収入を得られるのだろうか」「学費に見合うキャリアを築けるのか」といった経済的な将来への不安を抱える人も少なくありません。
人間関係と職場環境
薬剤師として働く場合、職場では他の医療職との連携が重要です。
医師や看護師などの多職種とのコミュニケーションがスムーズにいくのか、不安を抱く学生もいます。
また、職場の同僚や上司との人間関係がうまくいくかどうかも、働き始める前から心配する人が多いポイントです。
将来的なライフバランス
特に女性の学生の中には、結婚や出産などのライフイベントと薬剤師としてのキャリアをどう両立させるかについて悩む人が多いです。
一方で男性も、責任の重い仕事や長時間労働によって、家庭と仕事のバランスをどう取るかが将来的な課題となることがあります。
将来の不安を乗り越えるためにできること
これらの不安を抱える学生にとって重要なのは、早い段階でキャリアビジョンを明確にすることです。
具体的には以下のような方法があります。
キャリアカウンセリングを受ける
大学や自治体のキャリアサポートを活用し、プロのアドバイスを受けましょう。
同じ立場の仲間と相談する
同じ不安を抱えている友人や先輩と話すことで、新しい視点や解決策が見つかるかもしれません。
将来の選択肢を調べる
薬剤師としての仕事だけでなく、製薬会社、研究職、教育職などさまざまなキャリアについて情報収集することで、視野を広げることができます。
まとめ
今回は「薬学部生の悩みランキング」2位~3位について詳しく紹介しました。
次回は3位~4位の紹介です。
楽しみにしてください。