薬学生の悩みランキング4位「経済的な悩み」

目次

薬学部生の悩みランキング

前回は薬学部の学生が抱える悩みランキングを紹介しました。
ランキングの内容は下記をご覧ください。

第1位:学業・試験の負担が大きい
第2位:実習や課題の多さ
第3位:将来の進路に対する不安
第4位:経済的な負担
第5位:生活習慣の乱れ
第6位:人間関係の悩み

今回は4位「経済的な負担」について詳しく見ていこうと思います。

4位 「経済的な負担」

薬学部は、他学部と比べても学費が高額であり、6年間もかかります。
そのため、学生やその家族にとって経済的な負担が大きく、これが薬学部生の不安の大きな原因となっています。
今回は、薬学部生が抱える経済的不安の例とその背景を紹介します。
最後に不安を軽減するための方法についてご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。

学費の高さからくるプレッシャー

薬学部は特に私立大学の場合、学費が非常に高額であり、6年間で数百万円から1,000万円を超えることもあります。
この学費の高さが学生たちに大きなプレッシャーを与えています。

家族への負担を感じる

 「これだけの学費を払ってもらっているのに、もし進級や国家試験に失敗したらどうしよう」という思いが学生の中にあります。親への感謝の気持ちが強い分、失敗することへの恐れも増大してしまいます。

奨学金の返済への不安

奨学金を利用する学生も多いですが、卒業後には数百万円の返済が必要になります。
「薬剤師として就職しても、この返済が生活を圧迫するのではないか」という将来への不安を感じる学生も少なくありません。

生活費の負担も重なる現実

薬学部の学生は学費だけでなく、生活費の負担にも直面しています。
特に実家を離れて一人暮らしをしている学生の場合、家賃や食費、光熱費といった費用がさらに重くのしかかります。

アルバイトとの両立が難しい

生活費を補うためにアルバイトをする学生も多いですが、薬学部は勉強量が多く、アルバイトと学業を両立するのが難しいことがあります。
「アルバイトを増やすと勉強が追いつかない」というジレンマを抱える学生も少なくありません。

実習期間中の収入減少

薬学部では長期の実習がカリキュラムに含まれていますが、この期間はアルバイトができなくなることが多く、収入が減少するために経済的な不安がさらに高まるケースもあります。

卒業後のキャリアへの不安

経済的な負担は学生時代だけにとどまらず、卒業後のキャリア選択にも影響を与えます。
特に奨学金の返済がある場合、収入の安定した職場を選ばざるを得ない状況が生まれることがあります。

自由なキャリア選択が難しい

経済的な理由から収入の高い病院や薬局を優先する一方で、「本当にやりたい分野」や「研究職」などの道を諦める学生もいます。
このような状況が、「自分の将来はこれで良いのだろうか」という葛藤や不安につながります。

ライフイベントとの両立

結婚や出産といったライフイベントを控えている場合、奨学金の返済や生活費とのバランスをどう取るか、長期的な経済的負担への不安を感じる学生も多いです。

「長期的な学び」に対する疑問と不安

薬学部は6年間という長期間にわたる学びが必要であり、時間と費用を大きく投資する学部です。
そのため、「これだけの負担が本当に将来に見合うのか」という不安を抱える学生もいます。

学びに見合うリターンへの不安

「学費や時間に見合う収入やキャリアを得られるのだろうか」という疑問が多くの学生に共通しています。
特に調剤薬局や病院での収入が想像以上に低い場合、「自分の努力が無駄になるのでは」と感じることがあります。

AIや技術革新への懸念

調剤業務の自動化やAIの進化によって薬剤師の役割が変わりつつある中、「将来的にこの仕事で安定した収入を得られるのだろうか」という漠然とした不安を抱える学生も増えています。

経済的不安を軽減するための5つのヒント

薬学部生にとって経済的不安は避けられないものです。
しかし、それを軽減して前向きに学業に取り組むための工夫もあります。
ここからはその具体的な方法を紹介します。

奨学金や補助金を活用する

日本学生支援機構や地方自治体、大学独自の奨学金制度を積極的に利用しましょう。
返済不要の給付型奨学金が利用できる場合は、早めに情報を収集して応募することが重要です。

アルバイトの選択を工夫する

アルバイトをする場合は、効率よく収入を得られる仕事を選びましょう。
特に薬局や病院でのアルバイトは、実務経験を積むことができ、将来に役立つケースが多いです。

生活費を見直す

固定費(家賃、光熱費、通信費など)を見直すことで、負担を軽減できます。
学生割引を利用できるサービスを探したり、節約術を駆使することで生活費を抑える工夫をしましょう。

キャリア計画を早めに考える

卒業後の収入や返済計画を見据え、早い段階でキャリアの方向性を定めることが大切です。
キャリアセンターや教授、先輩に相談しながら、現実的な選択肢を模索しましょう。

家族や友人に相談する

経済的不安を一人で抱え込まず、家族や信頼できる友人に相談することで、具体的な解決策が見つかる場合があります。
精神的なサポートを得ることで、不安が軽減することもあります。

経済的不安と向き合いながらも「前進」を

薬学部の学生にとって、学費や生活費、奨学金の返済といった経済的な負担は大きな課題です。
しかし、奨学金や補助金の活用、生活費の見直し、効率的なアルバイトなどでその負担を軽減することは可能です。
また、早めにキャリア計画を立てることで、長期的な不安を減らすことができます。

まとめ

薬学部は学費が高額であることから、「留年」は学生やその家族にとって大きな負担となります。特に私立大学では、年間の学費が200〜300万円に達することも珍しくなく、6年間の総額が1,000万円を超えることもあります。
そのため、留年による追加の学費負担は経済的にも精神的にも大きなプレッシャーとなるでしょう。
まずは「留年をしない」ことを第一に考えましょう。


留年を防ぐために必要な準備とは?

薬学部は進級や卒業の基準が厳しく、特に試験や実習の難易度が高いため、日頃から計画的に取り組むことが求められます。
4つのポイントを押さえておくことで、留年のリスクを大きく減らすことができます。

1. 計画的な学習を心がける

薬学部では、試験範囲が膨大であるため、試験直前に詰め込むのは難しいです。
日頃から授業内容を復習し、理解と知識を積み重ねることが重要です。
カレンダーやタスク管理アプリを活用してスケジュールを可視化し、無理のない学習計画を立てましょう。

2. 苦手分野を早めに克服する

理解が不十分なまま放置してしまうと、試験で失敗する可能性が高くなります。
早めに教授や友人に質問したり、補助教材を活用して苦手科目を克服する努力をしましょう。

3. 情報共有を活用する

先輩や同級生から過去問や試験のポイントを聞いたり、グループでの勉強会に参加することで、効率的に学べる場合があります。
積極的に情報を共有し、協力し合う姿勢が大切です。

4. 健康を維持する

過度な勉強やストレスは体調を崩す原因となり、試験や実習への影響が避けられません。
十分な睡眠やバランスの取れた食事を心がけ、適度に運動を取り入れることで、心身ともに健康な状態を保ちましょう。


留年による学費負担はアルバイトでは補えない

留年によって発生する学費をアルバイトで補おうと考える学生もいますが、私立大学の場合、その金額は現実的にカバーするのが難しいです。
学業と並行して相当量の労働が必要となりますが、それが原因で学業に支障をきたし、再び進級や卒業に悪影響を与える悪循環に陥る可能性が高いです。

準備を徹底しよう!

薬学部の学費が高額であることを考えると、留年の経済的・精神的な負担は非常に大きなものです。
しかし、日々の計画的な学習や健康管理、友人や教授との情報共有など、留年を防ぐための準備をしっかり行うことで、そのリスクを大幅に軽減することができます。

6年間という長い学生生活の中で、時にプレッシャーを感じることもあるかもしれません。
しかし、事前の準備を徹底することで、解決できることも多いです。
どうしても不安がぬぐい切れないときは1人で悩みすぎず、大学やサポート機関を頼ってみましょう。

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